AIを用いてテキストから画像を生成する技術は最近のトレンドの一つです。そのため、ネット上でも多くのAI画像生成ツールが公開されています。
ただし、普通にテキストから画像を生成しようとすると上手くいかないケースも多いです。そこで、元となるテキストを上手に要約してあげる必要があります。
こちらの記事では「AIでテキスト解析を行い、要約した結果を用いて画像を生成する方法」についてと、「その技術の活用法及び注意点」についてをご説明していきます。
AIを利用してページの文章を要約した図の生成が可能
AIを活用すれば、本のページなどのデータを解析して要約結果を出力可能です。この機能を「自動要約」といいます。
例えば、以下のようなデータに対して利用可能です。
- チャットログ
- 書籍
- 音声通話の書き出しデータ
- ニュース
AIにテキストデータを学習させた上で、その中から重要なキーワードが出てくる文を抽出したり、段落ごとの最初の文章を取ってきてまとめたものを出力可能です。
この機能を活用することで、画像生成の際により品質の高いものを生成可能です。
AIを利用してテキストデータを要約して、画像を生成する手順
それでは、元データとなるテキストを要約するための方法について以降で紹介していきます。
手順1:ChatGPTによる文章の要約方法
OpenAIのサービス「ChatGPT」を利用して画像を生成するために必要な要約されたテキストデータを作成しましょう。
手順は以下の通りです。
※事前にChatGPTが利用できる環境を準備しておいてください。
画像引用:Introducing ChatGPT
①ChatGPTのサイトにアクセスして、「Try ChatGPT」をクリックしてログインします。
画像引用:https://chat.openai.com/
②要約して下さい。A というコマンドを入力して、送信します。
※A: 要約してほしいテキストの記載されたページのURL
すると、以下のようにChat GPTが要約したテキストを出力してくれます。
また、上記コマンドに以下のような命令を付け加えることで、出力されるテキストの長さや話し方、ターゲットに向けた内容に調節できます。
- 何文字までで
- 〜な口調で、~風に
- 専門家向けに
③通常のテキストを要約してほしい場合、②のコマンドを 要約して下さい。B にして下さい。※B:任意のテキスト
手順2:文章の解析結果からの図の生成方法
ChatGPTを用いて要約したテキストデータを解析させて、AIに画像を生成させます。
人気の高い画像生成 AIサービスの一例には、以下のようなものが挙げられます。
- Midjourney (discordが別途必要です)
- Stable Diffusion Online
- Playground AI
※各ツールの使用方法に関しては、それぞれのツールの説明をご覧下さい。
もしもイメージ通りのイラストが出されない時は、要約したテキストを見直してみたり、自分で修正を加えた上でもう一度試してみて下さい。また、別の画像生成AIサービスを利用してみるのも一つの方法です。
活用方法
AIで要約したテキストを元に、生成した画像には以下のような活用方法があります。
サイトの運営等に利用できる
ブログやSNSのアイコンとして利用したり、ホームページ内の画像やデザインの参考として使用可能です。
自分でイラストを描けなかったり、デザインができない人でも、イメージを文章化した上で、AIで要約して画像を作ってもらうことで、理想に近い画像を手に入れられます。
ゲームに使用する
最近では、AIで生成した画像をゲームの背景やイメージイラストなどに使うケースも増えています。
実際に、イギリスのアニメ制作の現場では複数の画像生成AIを使用して、イメージに近いものを作成して使っているという事例もあります。
インテリアデザイン
AIで要約したテキストを解析させることで、室内のインテリア画像を生成してもらうことも可能です。
実際に、TwitterでKaren.X.Chang氏などが画像生成AIを活用して、奥行きなどの設定を調整することでリアリティのあるインテリアデザイン画像を出力させている事例もあります。
また、最近では「Interior AI」というツールもあります。部屋の画像を読み込ませて、雰囲気を設定することで、雰囲気に沿ったインテリアを追加して出力してくれるサービスです。
注意点
要約したテキストをもとにAIで作成した画像を使う際には、以下のような点に注意が必要です。
商用利用可能かどうか
画像生成AIサービスを利用する際は、生成したコンテンツが「商用利用可能」か確認した上で使う必要があります。
商用利用とは、その画像を販売してお金を得たり、画像を使ったコンテンツで利益を出す行為です。ツールによって、商用利用の可否が異なるため、事前に確認が必要になります。具体的には、以下のような用途は全て商用利用です。
- ソフトウェアやゲーム内に画像を使用する
- 会社のwebページや販促資料、名刺、プレゼンテーション資料などに使う
- コンテンツを使ったグッズや商品を作って販売する
もしも商用利用不可の素材で上記のような事をしてしまった場合は、問題になる可能性があります。また、商用利用可能でもクレジット(サービス名)の記載が条件のサービスもあるため、利用規約をしっかりと確認するようにしましょう。
著作権の問題
AIが生成した画像の著作権問題は、国によっても異なっており、かつ非常に複雑です。
例えばアメリカではAIが生成した画像の著作権はそれぞれ「AIが関連した箇所(自動生成の過程)」と、「人間が携わった部分(学習データとなった絵やイラストなど)」に分けられると、「Federal Register :: Copyright Registration Guidance: Works Containing Material Generated by Artificial Intelligence」によって定義されています。
また、学習データとして用いられている画像が誰かのイラストであった場合、その人が権利を主張した場合に、著作権が原因でトラブルが生じる恐れもあります。
正確性、人間の解釈と合っているか等、懸念点もある
AIは学習したイラストや絵を元にした画像を生成します。そのため、学習元のデータによっては、ユーザーの想像したものとは全く違う画像を出力する場合も少なからずあります。
また、AIの正確性(精度)は100%ではないです。そのため、テキストの解析を誤って、全く違う画像を出力することもあります。
このように、要約したテキストを元に完璧な画像を生み出すことは不可能に等しいでしょう。
まとめ
- ChatGPTでテキストを要約した上で、画像生成AIに解析させることで要約を基にした画像を作ることが可能
- AIを用いて要約したテキストから作成した画像はらWebサイトやSNS、ゲームなど幅広いコンテンツで使える
- AIを用いて要約したテキストから生成した画像は必ずしもイメージ通りとは限らない。また、使用時はルールや法律に則って使う必要がある
このように、 ChatGPTやweb上で公開されているツールを上手に活用することで、テキストを要約してAIで文章を元にした画像を作成可能です。
作成した画像はさまざまな使い方が可能です。しかし、ツールによって決められたルールや商用利用が可能かどうかなどの決まりがあるため、そちらを守った上で利用しなければなりません。
しかし、上手に活用すれば様々なメリットをもたらすものです。注意点をしっかりと押さえたうえで、ぜひとも使ってみて下さいね。