ChatGPTはOpenAIによって開発された、web上で簡単に利用できる高度なAIサービスの1つです。
この、ChatGPTの活用法の1つに「ペルソナ」の作成が挙げられます。ペルソナとは、マーケティング用語であり、自社製品やサービスを利用してくれそうなユーザー像を指します。
これを基にマーケティングを進めることで、ビジネスをより良くすることができます。しかし、ペルソナを複数作成するためには時間がかかります。
そこで、こちらの記事ではChatGPTのOpen AI APIを用いてペルソナを作成する方法や、回答の具体例、作成時の注意点などについてご紹介していきます。
OpenAI API を利用して、ペルソナを使って特定の人向けの回答を得る方法とは?
ChatGPTに使われているAIである、OpenAI APIを使ってペルソナを作成し、回答を得るためにはPythonなどのツールと連携した上で、ペルソナの大まかな設定をインプットする必要があります。
OpenAI APIとは、ChatGPTに使われているAIをChatGPT以外のツール上でも使えるようにしたものです。
OpenAI APIと各種ツール(pythonなど)の連携を行って、質問をするコードを実装し、プログラムを実行することで質問の解答を得られます。
※具体的なコードについては、別途記事や公開されているプログラムを参考にして下さい。
OpenAI API を使ってペルソナを作成し、特定の人向けの回答を得ることができる
ChatGPTやOpenAI APIを使ってペルソナを作成して、ペルソナの設定に基づいた質問の回答を得ることが可能です。
例えば、「好きな食べ物は?」という質問でも、ペルソナの年齢や性別、性格、嗜好などによって回答は変わってきます。
そのため、ペルソナに応じた様々な回答を得て、自社マーケティングのために利用可能です。
ペルソナを使った回答の具体例
ChatGPTやOpenAI APIを使って作成したペルソナから得られる回答の具体例には、以下のようなものがあります。
設定した人物像に合わせたおすすめ商品情報
ペルソナの設定に応じたおすすめの商品はどれか提案してもらうことが可能です。
例えば、「20代後半のこんな設定の女性に対して、以下の商品の中でおすすめな商品と理由を教えてください」のように、ペルソナの設定に応じたおすすめ商品を教えて欲しいと問いかけることで、ペルソナに応じた回答を得られます。
問い合わせ対応
OpenAI APIを導入したチャットボットを開発して、サイトに導入することで問い合わせの対応が可能です。
過去の問い合わせデータなどをもとに、想定される質問と回答を学習させることでチャットボットのように使えるようになります。
ただし、解答の精度を上げるためにはより多くの学習をさせる必要があります。「以下の文章を学習してください。(学習させたい内容)」と入力し、必要な情報を追加学習させた上で利用するようにしてください。
文章の生成
オウンドメディア(ブログ)の構成案やSNSへの投稿用の文章や構成案を作成可能です。
どのような文章を、何文字程度、この条件で…などのルールを設定すれば、その条件に従ったテキストを生成できます。
また、他の言語への翻訳も可能です。
OpenAI API を利用してペルソナを作成する方法
OpenAI APIを利用したペルソナの作成は以下の手順で行います。
OpenAI API を使ったペルソナ作成の手順
1.連携するツールの準備
事前に連携したいツールをインストールして、環境を構築しておいて下さい。
もしも慣れていない方でしたら、ネットで検索すればサンプルコードや手順が豊富なPythonがおすすめです。
2. APIのキーを発行する
OpenAI APIのサイトにログインして、右上の3本線の箇所をクリックして、「API REFERENCE」の文字をクリックします。
遷移した画面の「API KEYS」の文字をクリックします。
3 APIキーの取得
「+Create new Secret key」のボタンをクリックして、キーを発行して下さい。
表示されたウィンドウに、キーの名称を設定して「Create new Secret key」をクリックすればAPIキーが発行されます。この文字列をコピーして、しっかりと記録しておきましょう。
4.OpenAI APIをインポートする
APIを連携したいツールにインポートして、コードを実装すれば完了です。
※コードの内容に関しては、別途記事やフリーのプログラムを参考に、作成してみて下さい。
ペルソナを作成するためのデータの収集方法
ChatGPTのAIを使って、ペルソナを作成するためには、必要な情報を集めて、追加学習をさせる必要があります。
以下のような方法でデータを収集できます。
- データセットを活用する
- 自社のデータベースから適切なデータを集める
- 欲しいデータを収集する
国や政府、都道府県などが無料でAI学習のためのデータを公開しています。適したデータがあるなら、オープンデータを上手に活用していきましょう。
もしオープンデータで賄えない場合は、自社に蓄積しているデータをデータベースから見つけて使ったり、機器を使って収集をしましょう。
これ以外にも、データを集めるための方法は色々あるので、欲しいデータは応じて 効率の良い方法を選ぶのが重要です。
OpenAI API を利用したペルソナの活用方法
ChatGPTのAIを使って作成した、ペルソナの活用方法には以下のような例が挙げられます。
アプリ開発
OpenAI APIで作成したペルソナと会話をして楽しめるアプリの開発が可能です。
例えば、「可愛い女子高生のキャラクター」というペルソナと、詳細な設定をもとに作成したペルソナと擬似的な会話をする、対話アプリが開発できます。
このように、作成したペルソナを用いたアプリの開発が可能です。
カスタマーサービスの自動化
ChatGPTをカスタマーサービスに導入することで、自動化する試みも行なわれています。カスタマーサービスの業務を効率化するツールや、部分的に自動化するツールは存在します。
ChatGPTのAIは文章での応答だけでなく画像や動画、音も認識、生成可能です。そのため、追加学習などを行なうことで、カスタマーサポートの自動化に活用できます。
マーケティング施策の分析
Open AI APIのペルソナを使えば、マーケティング施策の分析の効率化ができます。
複数のペルソナを作成の上、問いかけを行なうことで、そのペルソナが好むメルマガの内容や、コンテンツの内容などを回答してもらえます。
これらの情報を元に、効率の良いマーケティング施策の検討ができるようになります。また、ペルソナに応じた最適なコンテンツの提供が可能になり、成果の向上も見込めます。
ペルソナを活用する上での注意点
ChatGPTのAIを使って作成したペルソナを活用する際は、以下の点に気をつけて下さい。
回答のクオリティ
ChatGPTのAIは、様々なデータを学習しているため、精度が高いとは限りません。
あくまで蓄積したデータを元に、最も適切だと判断した回答をするため、時には全く想定外の回答が返ってくる場合もあります。
そのため、追加学習やテストをした上で、精度を確認して、実用的かどうかの確認が必要です。
実際のターゲットニーズの変化にあわせてペルソナも更新しているか
自社製品やサービスのターゲット層は常に変化していきます。そのため、マーケティング目的で利用するなら定期的に自社のターゲット層を分析した上で、必要に応じてペルソナを変更する必要があります。
更新しないで同じペルソナを使っていても、有意義な情報が得られなくなってしまいます。そのため、常に見込み顧客のイメージに近いペルソナを活用して、ビジネスで使っていく必要があります。
OpenAI API を利用したペルソナの活用事例
OpenAI APIやChatGPTを利用したペルソナの活用事例には以下のようなものがあります。
ユーザーインタビューにChatGPTを活用した事例
Takuya Kodama氏はChatGPTでインタビュアーのペルソナを作成したうえで、ユーザーインタビューを行う試みを実施しています。
ペルソナにインタビューをしてもらい、問いかけに回答していき、まとめを作成してもらうというものです。結果としては、インタビュアーとしての精度は想定以上に高く、今後のマーケティングでの利用に期待できます。
参考:ChatGPTのマーケティング活用:ユーザーインタビュー|Takuya Kodama
面接官役のペルソナに模擬面接をしてもらう
Twitterではこの企業の面接官、というペルソナを作成したうえで模擬面接を行っている事例もあります。
こちらの事例では、「Twitter社の面接官」というペルソナを作成し、ユーザーが面接を受ける側として活用しています。
業界に応じた質問や、その企業の面接だからこそ問われそうな内容を質問してもらうことで、よりリアリティのある面接練習が可能になります。
参考:金子晋輔 Shinsuke Kaneko ???? | Twitter
まとめ
- ChatGPTのAIであるOpenAI APIを使ってペルソナを作成し、ビジネスで幅広い方法で活用できる
- Open AI APIを利用する際は、公式サイトよりログインの上、キーを取得し、連携したいツールにインポートする必要がある
- ChatGPTのAIで作成したペルソナを活用する際には、精度が定期的なペルソナの更新の実施といった注意点がある
このように、 ChatGPTのAIはOpenAI APIを使うことで活用できます。また、ペルソナを作成してビジネスで様々な形で活かすことができます。特にマーケティングや営業の効率化およびコンテンツのクオリティ向上に活用可能です。
ぜひ上手にOpenAI APIを使ってペルソナを作成して、活用してみて下さいね。